祐子先生の豆知識
〈豆知識 1〉
◎廃用症候群
(1)特徴
病気や障害などのために長期にわたって安静状態が続いたり、ギブスなど で関節を長期間固定していたり、あるいは全身的にからだを使わない状態が続くと、身体機能や精神機能に病的な症状が現れます。この二次的障害ともいえる病的な状態が廃用症候群です。
過度の安静や寝かせきりにさせるケアが廃用症候群を作り出します。介護される人の尊厳を守り、いろいろな工夫をすることで寝たきりを防ぐことが出来ます。
(2)症状
長く寝たきりの状態でいると、さまざまな機能が低下し、廃用症候群が現れます。
●廃用症候群を起こしやすい部位とその廃用症状・疾患
- 〈消化器 :消化機能低下、蠕動運動低下〉食欲不振、便秘
- 〈脳・神経 :機能低下〉精神活動低下、うつ傾向
- 〈関節 :可動域減少〉関節拘縮
- 〈肺 :機能低下〉息切れ
- 〈静脈 :血栓形成〉下肢静脈血栓症 (深部静脈血栓症)、肺塞栓
- 〈膀胱 :排尿機能低下〉排尿障害、膀胱炎
- 〈心臓 :機能低下〉起立性低血圧、頻脈
〈豆知識 2〉
◎フレイル(frailty)
加齢による全身的な衰えには、個人差があります。
フレイル (frailty :脆弱)とは、
「加齢とともに心身の活力 (運動機能や認知機能など)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」
と捉えられています。
フレイルの評価基準として、
- 体重の減少
- 筋肉量の減少
- 筋力の低下
- 持久力の低下
- 緩慢な動作
- 活動性の低下
をあげています。これらの要素には測定指標があり、 3個以上基準を下回ればフレイルとなり、すべて基準以上であればフレイルではないと判断されます。