『介護リフォーム』ってなんだろう?
◎介護リフォームとは
介護リフォームとは、加齢や病気・ケガなどで身体機能が低下した高齢者が自宅で暮らしやすいよう自宅を改修することです。
思い出の詰まった家で長く、安心して暮らし続けるためにも、介護リフォームは有効な手段と言えます。
◎介護リフォームの目的
年齢とともに運動機能が減退すると、廊下のちょっとした段差でつまづいたり、階段から転落したりなど、自宅内で事故が起こる可能性が高まります。
そこで「廊下や浴室に手すりを設置する」「段差を解消する」といった介護リフォームを行い、高齢者が安全に自宅で過ごせる環境を整えていきます。
介護リフォームを行うと、高齢者の方が入浴やトイレを利用しやすくなるなど快適な暮らしにもつながっていきます。
◎住環境整備のメリット
寝たきり高齢者の多くは、実は「寝かせきり高齢者」であると言われています。寝かせていた方が楽だという介護の都合や、自由に移動できない環境が、「寝かせきり高齢者」やおむつ使用者を増加させているのです。
寝たきりやおむつから解放され、本人の QOL (生活の質)を向上させるために、住環境整備は大きな効果を発揮します。
安全・安心・快適な暮らしをかなえる住環境整備がなされれば、本人の精神的自立や意欲の拡大、家族の介護負担の軽減につながり、さらに家族関係の円滑化が期待できます。
◎介護リフォームのタイミング
病院から退院後に自宅で安全に暮らすためにも、介護リフォームが必要になるケースが多く見られます。 また、加齢によって心身機能が衰退して、自宅で安全な移動や生活動作に不安が出始めた時も、介護リフォームを検討するタイミングです。
◎介護保険を活用して快適リフォーム
要支援・要介護度区分に関わらず、住み慣れた住宅で暮らすための必要な手すり工事などの特定の介護リフォームにかかった費用 (住宅改修費)の支給を行う制度があります。
住宅改修費支給 /介護予防住宅改修費支給
要支援・要介護度区分に関わらず、住み慣れた住宅で暮らすための必要な手すり工事などの特定の介護リフォームにかかった費用 (住宅改修費)の支給を行う制度があります。
最高 20万円
(自己負担 1~ 3割)を上限に住宅改修の費用が支給されます。
◎介護リフォームの事例
浴室用手すり
取り付け位置について
- 出入り用縦手すり
- 洗い場移動用横手すり
- 浴槽出入り用縦手すり
- 浴槽内立ち座り用手すり
- 洗い場立ち座り用縦手すり…など
トイレ用手すり
- 出入り用縦手すり
- 移動用横手すり
- 立ち座りサポート・座位保持用手すり…など
廊下・階段・玄関まわり用手すり
- 出入り用縦手すり
- 移動用横手すり
- 上がりかまち用手すり
- 階段昇降用手すり…など
生活機能の低下を見逃さないで !! チェックがついたら要注意 !!
チェックがつくと介護予防の何らかのサービスを利用できる可能性があります。 お住まいの地域を担当する地域包括支援センターに相談することをお勧めします。
◎基本チェックリスト(参考)
基本チェックリストは、高齢者の生活機能を評価し、要介護状態になるリスクを予測することを目的に開発された質問票です。
- バスや電車で一人で外出していますか
- 日用品の買い物をしていますか
- 階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか
- 椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がっています
- 6ケ月間で 2~ 3 Kg以上体重減少がありましたか
- 口の渇きが気になりますか
- 週に 1回以上は外出していますか
- 周りの人から「いつも同じことを聞く」などの物忘れがあると言われますか
- (ここ2週間)これまでに楽しんでやれていたことが楽しめなくなった
- (ここ2週間)以前は楽にできていたことが今では億劫に感じられる
「地域支援事業の実施について」 (平成 18年 6月 9日厚生労働省老健局長通知より
◎第1号被保険者と第2号被保険者の違い
・被保険者とは
対象者は 40歳以上のすべての国民です。被保険者の中でも 65歳以上を「第1号被保険者」、 40歳以上 65歳未満の医療保険加入者を「第2号被保険者」といい、受給要件、保険料やその納付方法が異なります。
第1号被保険者
対象 65歳以上の人
受給資格
- 要介護者 (寝たきり、認知症などで常時介護を必要とする状態)
- 要支援者 (日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態)
保険料の納付方法
年金が月額 1.5万円以上の場合は年金から天引き。それ以外の場合は普通徴収として個別に徴収
第2号被保険者
対象 40歳以上 65歳未満の医療保険の加入者
受給資格
加齢に伴う 16の特定疾病を原因として要介護・要支援者となった場合
保険料の納付方法 医療保険料と一括で徴収
◎介護保険サービスの利用は申請から
介護保険サービスを利用したい高齢者は、まず住所のある市町村窓口で要介護 (要支援) 認定の申請を行う必要があります (住所地特例対象施設に入所している場合は入所前の 住所地の市町村)。これにより要支援 1から要介護 5までのいずれかの認定、または非該当 (自立)の決定を受け、受給できるサービスの種類や量が決められます。
申請は、本人や家族のほか、地域包括支援センター、近くの居宅介護支援事業者 (ケアプラン作成事業者)や、介護保険施設にも頼めます。 地域包括支援センターは、高年者が住み慣れた地域で尊厳のある暮らしを継続できるよう、高年者の生活を支えていく事業を実施する拠点です。
保健師等・社会福祉士・主任介護支援専門員がチームを組み高年者の支援・相談を行っています。
また、介護保険制度で要支援認定をされた人のケアプランや介護予防プログラムの作成、 高年者への対応、成年後見などの権利擁護に関する相談なども行っています。
困っていることがありましたら、地域包括支援センターにお気軽にご相談ください。
◎草加市の地域包括支援センターの担当地区と所在地
地域包括支援センター名 ()内が所在地 住所 電話番号 担当地区
・新田西部地域包括センター (クォーターヴィレッジ新田地域支援事業所内)
新善町 6 048-946-0520 (FAX番号 :048-946-0523)
新栄 1から 4、長栄 1から 4、溝門 1から 3、新善町、金明町、旭町 1から 6
・新田東部地域包括センター (草加市社会福祉協議会内)
松江1-1-32 048-932-6775 (FAX番号 :048-932-6779)
八幡町、弁天 1から6、中根 1から 3、松江 1から4、栄町 1から 3
・草加川柳地域包括支援センター (介護老人保健施設 翔寿苑内)
青柳 8-51-13 048-932-7007(FAX番号: 048-931-0993)
青柳 1から8、青柳町、柿木町
・草加安行地域包括センター (特別養護老人ホーム草加園内)
苗塚町 200-2 048-921-2121(FAX番号:048-928-8989)
原町1から3、北谷 1から3、北谷町、苗塚町、花栗1から 4、小山 1から 2、松原 1から 5
・草加西部地域包括センター (ケアステーション かしの木内)
草加 1-8-13 048-946-7030(FAX番号 :048-942-7582)
草加 1から 5、西町、氷川町
・草加東部・草加稲荷地域包括センター (居宅介護支援事業所 西うさぎ内)
吉町2-2-21 048-9959-9133(FAX番号 048-922-3801)
神明 1から 2、住吉 1から 2、手代 1から 3、高砂 1から 2、吉町 1から 5、 稲荷 1から 6、松江 5から
・谷塚西武地域包括センター (草加キングス・ガーデン介護相談センター内)
新里町 989-1 048-929-0014(FAX番号 :048-929-5222 )
柳島町、遊馬町、新里町、両新田西町、両新田東町、谷塚上町、谷塚仲町、
・谷塚中央・谷塚東部地域包括センター
瀬崎 5-20-16 048-929-3613(FAX番号 :048-933-9380)
谷塚町、谷塚 1から 2、瀬崎 1から 7
高齢者にとっての転倒の危険性
◎家庭内事故死(65歳以上)の詳細
- 溺死 43.4%
- その他の不慮の窒息 25.8%
- 転倒・転落 18.4%
- 火災等 4.7%
その他 12,683人
資料 :厚生労働省「人口動態統計」 (2017年 )をもとに作成
◎転倒の主な原因は
- 加齢
- 病気や薬の影響
- 運動不足
◎自宅で転倒リスクがある場所と注意点
居間
- コードの配線は歩く動線を避ける。壁を這わせるか、部屋の奥にまとめる。
- 引っかかりやすいカーペットやこたつ布団は使用しない。めくれやすいカーペットの下には滑り止めを敷く。
- 床に物を置かない。
- 1~2 センチメートル段差はつまずきやすいので、スロープをつけるか、手すりをつける。
玄関
- 手すりをつける。
- 玄関マットの下には滑り止めを敷く。
- 靴の着脱のために椅子を置く。
- 上がりかまちが高い場合は踏み台を置く。
廊下・階段
- 手すりをつける。
- 床に物を置かない。
- 転倒の原因になる滑りやすい靴下やスリッパは使用しない。
- 足元がよく見えるよう照明を明るくする。
- 階段に滑り止めをつける。
ベッド
- ベッドを壁に面するように配置し片方からの転落リスクをなくす。
- ベッドガードと呼ばれる柵を利用する。 (※)
- 万が一、転落しても衝撃が緩和できるよう低床のベッドに変更する。
※ベッドガードを使用する際には、柵やベッドとのすき間に首や体の一部が挟まらないように注意してください。
浴室
- 椅子に座って着替える。
- 入口の段差が高い場合は、すのこやスロープで段差を小さくする。
- 滑りにくい床材にするか、滑り止めマットを敷く。
- 手すりをつける。
施工例
Before
玄関の介護リフォームの場合
・I型手すり取り付け
After
Before
階段の介護リフォームの場合
・手すり取り付け
After
Before
キッチンの介護リフォームの場合
・床からタイルカーペットへ変更
After
Before
トイレの介護リフォームの場合
・和式から洋式へ変更
・L型手すり取り付け
After
Before
お風呂の介護リフォームの場合
・出入口にI型2ヶ所
・移動用にI型2ヶ所
・浴槽横にL型1ヶ所
計5ヶ所取り付け
After